姪は叔父さんに恋してる
しかしながら、私が戻った時には、病室の様子は少しだけ違っていた。
「……………。」
林檎の袋を持ったまま立ち往生する私。
閉じられた病室の扉。
廊下の壁に凭れ掛かってこっちに手を振る人物が一人。
「おー、やっぱやっちゃんも来てたか!」
……なんでいる?
「……智之……。」
語気を強めて言う…もとい、威嚇すると智之は肩を竦めた。
「そんな睨まなくても。智充叔父さんがやべぇって聞いたからお見舞いに来たんだよ俺は。」
そんなの見れば分かる。
「…じゃあなんで廊下に突っ立ってるの?お見舞いする気無いなら帰れ。今すぐ!」
せっかく叔父さんと二人っきりの空間が楽しめると思ったのにこいつは。
邪魔な智之を押し退けて病室に入ろうとすると、
「やっちゃん、まだ駄目だ。」
「っ?」
智之が私の肩を掴んで止めてきた。