姪は叔父さんに恋してる


「…何が、駄目なの?」


不機嫌マックスで訊けば、智之は一度ちらりと病室を見て、


「まだ華実が話してるから。」


思い掛けぬ新しい来訪者の名前を挙げた。


「華実先輩…?なんで、話してるの…?二人で……。」

叔父さんと女の子が室内に二人きり。
その条件だけで最悪の想像をするのは私には容易かった。

だから何とか邪魔をしなければと思って、私はまず智之の手を振り払う。

「あっ、バカ…!」

扉の取っ手を掴んだけど、すぐに智之に止められる。
何としてでも、叔父さんと華実先輩の会話を私に聞かせたくないみたい。

それが余計癪に障って、威嚇しつつ足を踏みつつ、強行突破を試み続けた。


「まっ、本当に駄目だって、やっちゃん!入っちゃ!」

「うるさい離せ!なんで駄目なの!?好きな人を他の女の子と一緒にしておけるわけないでしょ!」


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