姪は叔父さんに恋してる
だから私は、それを仇で返すんだ。
「ごめん、お父さん……。私は叔父さんにさえ護られれば十分なの…。」
私の無事を。私の平穏を考えてくれてありがとう。
それでも私は叔父さんを選ぶ。
自分の身を優先したら、叔父さんは一人取り残されてしまうから。
私は、お父さんの優しさを振り払わないといけないの。
そうじゃないと…叔父さんを愛する資格なんて、得られないから。
「ありがとう。」
最後に私は一言そう告げて、その場で深く頭を下げた。
初めてだ。
両親に頭を下げるのは。
「…………。」
それから一分間、誰も口を利かず、誰も体を動かさなかった。
瞑っていた目を開く。
すると足元に、お父さんの黒い靴の爪先が見えて…、