タイムリミットはキスするまで
「無理っ、絶対無理っ!」
「琴音、じゃあいつだったら大丈夫なの?来週?来月?一年後?それとも一生?」
「それは、…分からない」
割り箸を握る手に力が籠もる。
そんなの、分からないよ
口ごもって俯きげにそう呟いた琴音に、桃花は食堂の入り口に視線を送る。
「あれ、見てみなよ」
「え…」
桃花の声に顔を上げれば、桃花が一点をじっと見ているのを見て、琴音もその先を追うように見れば、
そこにいたのは
「千尋…と、咲ちゃん?」
咲はクラスメートで、勉強も運動も委員長も出来てしまう才色兼備の美少女だ。
なんであの2人が…
「最近、妙にランチタイムの時、間宮んとこに女子達が集まらないから怪しいと思って見てたら、食堂で咲とご飯食べてたのよね」
「え…」
桃花の言葉に、カランと割り箸が手から落ちる。