時計仕掛けの宝石箱
突然の獲物の消失に、化け物は首を傾げる‥ような仕草をし、飛び出た体を廊下に引っ込める。

そして何事もなかったかのように、別の獲物を求めて、ふらふらと来た道を戻って行く。

老人さながらの鈍い足取りで角を曲がり、上階へと姿を消した。








それから、数分後。

窓の外の、下の階から‥響也の顔がひょっこり現れた。

そう、響也達が消えたのには、当然のごとく種があったのだ。

一つ謝れば確実に死ぬという過酷な状態で、響也は地の利を上手く利用した、実に的確な判断を下した。

響也が咄嗟に思い出したのは、海斗から聞いた話だった。
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