時計仕掛けの宝石箱
それが、わたしにとって一番楽しい事だから、と小さく付け足していたのが、とても印象的だったのを覚えている。

だからこそ、響也は今もこうして遊んでいる。それは自分のためでもあり、蜜羽のためでもあるからだ。

‥そう、こんな妙な使命感を持ってずっと遊んでいたものだった。



「おとやちゃん、はやい、はやい!」

鬼の男の子の手を掻い潜り、上手く逃げ回る響也。

鬼の子も負けじと必死になって食らいつく。だが、中々追い付けない。

するする躱して逃げ惑う響也の俊敏さにイライラしてきたようだ。

ついには「あぁ~、もうっ」と悪態を付き、追うのを諦めてしまった。

あっかんべ~と舌を出して、彼は別の獲物を捜しに駆けていった。
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