時計仕掛けの宝石箱
‥‥その後は、よく覚えていない。
ただ、蜜羽を泣かした少年を知って取っ組み合いの喧嘩になった事。
ぼろぼろになりながらも勝利し、蜜羽に謝らせた事。
謝られた蜜羽は何が何だか分からずにぽかんとしていた事だった。
いつの間にか少年と友達は連れ立って帰り、蜜羽と響也は残照の公園に残されていた。
そういえば、と響也は考える。暗くなる前には帰りなさいと親に言われていた気がする。
「みぃちゃん、かえろ」
「‥うん」
蜜羽はスカートの土を払い、おずおずと響也の手を握った。
蜜羽は普段、響也と寄り添うようにはしているが手を繋いだりしない。
幼いながらにもからかわれるのは嫌だったのだ。