時計仕掛けの宝石箱



メキッ!!!!!



耳障りな音。ドアは己の限界を響也に知らせた。

響也も姿勢を前屈みにし、体勢を整える。

「‥奴がドアを破って入って来たと同時に‥その横を抜けて逃げる。

そのまま階段の方へ走って、一階へ。目の前の昇降口から‥脱出、する」

開こうとしない口をこじあけて、自身が立てたプランをシミュレーションする。

生唾が絶え間なく口内に溢れ、舌も回らない。それでも言葉にしなくては、冷静を保てなかった。

‥そう。冷静さを欠いたら‥間違なく死ぬ。

唇を噛んで、響也はその時を待つ。
< 151 / 195 >

この作品をシェア

pagetop