時計仕掛けの宝石箱
バギャギャッッ!!!!
ドアが破壊されたと同時に、響也も飛び出した。
床が軋む程強く蹴り、転がるように廊下にダイブする。
粉砕したドアの木片が纏わりつくが、構ってなどいられない。
蜜羽を抱え直して、即座に疾駆する。
‥速く‥っ‥速く!!!!
乾いた玉の汗が、再び浮かび始めた。
掻き消えていく風景を視認しながら、限界の速度で角を曲る。
‥予測以上、だった。
響也ははっきりそう感じた。
飛び前転の要領で廊下に飛び出し、化け物の真横を通り過ぎた一瞬。
時間にして僅か数秒にも関わらず、その奇怪な姿は響也の脳裏から離れてはくれなかった。