時計仕掛けの宝石箱
しかし、現実を認識した直後、全身の毛穴から吹き出す恐怖と絶望が混ざった汗がダラリと全身を覆う。

そして負の感情を舐めとるように響也の肌を伝い、床に落ちていく。

動かなくてはイケナイという気持ちが重過ぎて、逆に響也の足枷となり、自由を奪った。

ガクガクと素直に震える体が、静かに眠る蜜羽をも揺らす。



「‥う、ん‥」



「っ‥!?」

蜜羽が再び身動ぎをし、桜色の唇から覚醒間際の産声を上げた。

蜜羽の長い睫毛を着た瞼が震えている。

‥じきに目覚めるのは、火を見るより明らかだった。
< 157 / 195 >

この作品をシェア

pagetop