時計仕掛けの宝石箱
彼女‥エディリーンはふわりと二人を背にし、怪物に目を向ける。しかし、その瞳には戦意は存在していない。

一方、化け物はこちらを恨めしげに見つめながら‥多量の血をぶちまけて、既に事切れていた。



そう。



響也達を突き飛ばしたその刹那に、エディリーンは<力>を解放し‥飃光絲(ビョウコウゲン)で全身を貫いていた。

化け物は死の間際の無様な格好のまま、声もあげずに死んだ。

その姿、糸に吊られた憐れな人形の如し。

エディリーンの光弦術(コウゲンジュツ)の一つ、<操り人形(マリオネット)>の名の所以だ。

エディリーンは<力>を解き、飃光絲を断ち切る。途端に化け物の死骸は重力に吸われて、ドチャッと嫌な音を立てて墜落した。

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