時計仕掛けの宝石箱
頷きながらちらりと響也に視線を送り、また背を向ける。一瞬、悲しげな表情が浮かんだ気がした。

「‥生存者を二人保護したわ。だから迎えを寄越して欲しいの。怪我は軽度だけれど、<Y>のヒューリも連れて来て。

‥えぇ。私は引き続き、調査と掃討作業を。下階は任せるわ。上階は私とファーメルで片付けるから。」

聞き慣れない単語がズラズラと並べられていく。しかし、響也は何故か既視感を覚えていた。

ファーメル、<Y>。

どこかで聞いたような、そうでないような。

(‥そんなワケない、よな)

ピリピリとする頭を振り、響也は懐かしさを感じた言葉を忘れようとする。

そして、今一番に彼女に聞きたい事を忘れないようにと、彼女のポニーテールを見つめる。
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