時計仕掛けの宝石箱
触手のみが至福に身を踊らせて生えているのみで、ソレがいた形跡は血液一滴も残されていない。

二人は必死に喉を競り上がってくる吐瀉物を胃へと押し戻していた。

嘔吐の兆しと先程の異常な光景で涙が止まらない。



―なんで。



そんな無意味な疑問が脳裏で渦巻く。

酸で焼けているのか、鈍く痛み出した喉で未だ攻防を続けながら、蜜羽は思う。



―どうして。なんで。



「‥これが現実なのよ、お嬢さん」

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