時計仕掛けの宝石箱
頭上から浴びせられた言葉に顔を上げかけ、そこで喉が決壊してしまった。

四つん這いになって、腹にある液体固体問わず吐き出す。

次いで響也もそれに倣う。壁に手を付き、喘ぎながら嫌な音を鳴らす。

咳き込みながら吐瀉している蜜羽を、いつの間にやら側に来ていたエディリーンは透明な瞳でソレを眺めていた。

なんで分かったの。そう視線で問うと、エディリーンはそれもさらりと返した。

「あういうモノを見ると、大抵皆同じ事を思い、問うのよ。どうして、なんでって。

答えは単純。

何でもないの。
これが現実。
殺らなくては殺られるの。
あなた達が気付いていなかっただけで、あなた達の直ぐ近くに命を狙う存在はいた。

ずっと、遥か昔から‥ね」

「‥っ、はっ‥。

でも‥なら、なんで‥俺、たちは、見たことが‥。‥ぁ」

問うて再び奔流に身を任せる響也。

二人とも涙目になりながら異常なまでに不愉快な感覚と戦っていた。

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