時計仕掛けの宝石箱
「それは当たり前よ」

エディリーンは先程とは正反対に笑みを浮かべ、蜜羽と響也の背に触れる。

ほんのりと温かい感覚が、エディリーンの手のひらから伝わってくる。それは体温にしては温かく、気持ちを安らげる効果があった。穏やかな温もりの流れが、二人から嘔吐感を拭い去っていく。

二人を抱き抱えるようにエディリーンは引き寄せて、囁いた。

「私達がいたから。私達という、人型をしながら人ではない‥シェレスという存在がいたからよ」

「‥シェレス‥?」

「そう。私達の総称。私達は、人間ではないの」



人間ジャナイ。



二人の脳髄を刺激する言葉は、一瞬だけ化け物達と彼女‥エディリーンを重ね合わせた。まるで似ていない両者にも関わらず、何故かソレが自然に噛み合うのは実に奇妙だ。

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