やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「真木さんでしたら、奥へ行かれましたが?」
組員は、部屋のドアのひとつを指し示す。
私は、その言葉を聞いて、組員が止めるのも聞かずに奥へと向う。
ドアを開け、奥の部屋に入ると、そこには、下着姿の女性が数人、虚ろな目で座っていた。
「・・・・何・・・これ?」
思わず、立ち止まり、声を出し、つぶやく私。
「ドラッグを打たれたようですね。」
私のつぶやきを聞いて、その部屋にいた笹山組の組員が答えた。
「ドラッグって・・・」
絶句する私。
「ドラッグを使えば、簡単に言う事をきかすことが出来ますからね。」
つばを吐き捨てるように組員が言った。