やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「それにしても、龍一の奴も回りくどいことするよな。」
執事が出て行った後で、真木ヒナタが、私に話かける。
「どういう意味ですか?」
「何だ、小夜、気づいてなかったのか?」
「・・・?」
「はなっから龍一の奴は、小夜のこと罰するつもりは、微塵もなかったってことさ。」
「そうなんですか?」
サブが、真木ヒナタに詰め寄る。
「ああ、どっかの馬鹿が、でかい声で小夜が女だなんて叫ばなきゃ、笑い話ですんだんだけどな。」
「・・・申し訳ないです。」
サブがうなだれる。