やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「それじゃ、龍一さんと組長って昔から仲良かったんですね。」
私の言葉に顔を見合わせる執事と組長。
「・・・・いえ、中学2年の時までは、まったく仲良くありませんでしたよ。大和のことは、ただの不良という認識しかありませんでした。」
「・・・・俺も龍一のことは、ちょっと女にモテる、ムカつく優等生程度にしか思っていなかったよ。」
「大和・・・残念ながら、私が女性にモテるのは、ちょっとではありません。」
「・・・・前言撤回。今もムカツク・・・・」
お互いに言い合い、笑い合う。
「・・・それが、何で仲良くなったんですか?」
「・・・何でだっけな?」
組長が、私の言葉に頭を傾げながら、執事を見た。
「忘れたんですか?・・・中学2年の時に喧嘩になったじゃないですか?」
「あー!そういえば・・・・何で喧嘩したんだっけ?」
再び首を傾げながら、執事を見る組長。
「まったく大和は・・・。」
執事は、溜息をつきながら組長を見る。