やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「わかった!大和が龍一のお弁当を食べた!・・・まったく大和は、いやしいな。」
いつの間にか私の後ろに戻ってきていた真木ヒナタが口を挟み、ひとりで納得している。
「・・・・俺は、他人の弁当とったりしねぇ~よ。」
「ですって、いやしい真木さん。」
私は、柏餅の事を思い出しながら、真木ヒナタを見る。
「何だよ、小夜!俺も他人の弁当なんかとらないよ!」
「・・・・柏餅。」
「・・・・他人のじゃなければ、・・・・・俺はとる!!」
真木ヒナタが、立ち上がり、満月を見上げながら言い切る。
「・・・・私、他人ですけど?」
「・・・小夜は、俺のペットだから他人じゃない!」
おもちゃからペットに昇格した私。
当然、喜ぶわけはない。