やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・話をすすめてもいいですか?」
執事が、私と真木ヒナタを見る。
「OK!」
「・・・・すいません。」
真木ヒナタは、胸を張って、親指を突き出し、私は、執事に頭を下げる。
「大和の不良グループのひとりが、私に文句をつけてきたんですよ。・・・その方が好きな女性が、私のことを好きだからとかいう、まったく意味のわからない理由で。」
「あっ、そうだった。それで、龍一が、そいつボコボコにしたんだよな!」
「・・・違いますよ。少しなでであげただけです。あくまで今と比べればですが。」
「・・・・そいつの目の周りが真っ青になっていたけど、それでもなでただけ?」
「それくらいは、当然でしょう。3人で喧嘩を仕掛けてきたのですから。正当防衛の範疇です。」
執事に悪びれる様子は一切ない。