やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「そのころから龍一さんは強かったんですね?」
私は、執事を見る。
「いえ、ただ体が同級生よりも大きかっただけですよ。中学2年当時で180cmくらいありましたから。」
「そうそう、顔が美形で身長が180cm・・・・龍一・・・殴っていい?」
急に組長をコブシを握って、執事を見る。
「なぜですか、大和?」
「いや、何かムカツクなと思って・・・・だって、中学2年で美形の身長180cmだよ?殴られても文句言えないと思うけど?」
「・・・構いませんが、当然、反撃はしますよ?」
執事もコブシを握り、組長を見返す。
「・・・・そういうことなら仕方ない。ここは我慢しよう。」
執事から目を逸らす組長。
「それでは話をつづけますが、その私に殴られた方が、そのグループのトップである大和に泣きついたって訳です。」
「それで、組長と龍一さんが喧嘩になったって訳ですね!」
「そうです。」
執事が、優しい微笑みで私を見る。
「・・・で、どっちが勝った?」
真木ヒナタの言葉にお互い顔を見合わせる執事と組長。