短編集『手紙』
「有り難う! ウウッ、ウウウ」

彼が零した涙は、友人に対する感涙だった。

そして彼らは『みるく』を後にした。

「なんか俺、怖ぇえんだけど」

「大丈夫だよ。可奈子さんに逆らわなければ」

「どうしてそんな事が言えるんだ?」

「それは……ゴメン。今まで手紙を入れてたの、俺だったんだ」

「なんだってぇっ?」

「断われなかったんだよ。可奈子さんはご褒美に胸を触らせてくれるんだ」

「じゃあお前は可奈子の顔を知ってるのかよ!」

「う、うん」

彼は友人の胸ぐらを掴んで激昂した。

「で、どんな奴なんだよ」

「綺麗な人だよ? かなり年は上だろうけど」

年上女性とのめくるめく情事。普段女性に縁の無かった彼は、恐怖も忘れて鼻血を出しそうな程興奮していた。


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