ことばにできない
ほっとして、女性に視線を戻したとき、彼女がゆっくりと私を見上げた。

その顔……ずいぶん幼い。
たぶん高校生。

そして、顔色が悪い。まるで、乾いた土のような色。

「大丈夫?」
少女はのろのろと頷いた。とても大丈夫とは思えなかった。

私は彼女の耳元にささやいた。
少し、座ろうよ。私、良い場所知ってるから」
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