危険な彼女
「………え?」




奈津は固まった。



例えるならば、巨大な冷凍庫に無理矢理入れられた気分だった。




「えと…奴隷ってあの奴隷?」



「そうよ」



「主人の命令には絶対従うっていう、あの奴隷?」



「そうよ」



「犬のような扱いを受けるあの奴隷?」



「あら?
犬ほど可愛がるつもりはないわよ。


さあ、三回回ってワンと鳴きなさい、ポチ」




プチン



頭の中で何かが切れる音がした。




「ふざけんなぁぁ−−!!!」




(そんな扱い受けてたまるか!!


人権侵害だっつーの!!!)



そう思いながら彼女を見ると…




「!」



「あっ、もしもし…パパ?」



クルクルクル…



「ワン」



(うわ………


今なら死んでもいい気がする…)
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