危険な彼女
パタン…



彼女は携帯を閉じると満面の笑みを浮かべた。



その笑顔がかわいいので、奈津は余計に腹が立った。




「それじゃあまず…


自己紹介といこうかしらね。

はい、あんたから」



「え?
あっ…俺は柳 な『そんなこと知ってるわよ』」



(じゃあふるな!!!)




「そういうあんたは?」




奈津は最高に不機嫌オーラ全開で聞いた。



初対面のやつにここまでされれば誰だっていらいらするだろう。



それがたとえ、絶世の美少女だったとしてもだ。



「私?

私は姫川桜(ヒメカワサクラ)。

よろしく、柳奈津…改めポチ」



「ポ、ポチ……」




桜はニコリと微笑んで奈津を見た。



奈津はその笑顔に得体のしれない何かを感じ、ビクリと体を震わせた。



(姉ちゃん…

生まれて初めて姉ちゃん以外の女を恐いと思ったよ………)
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