love letter~ヤンキーの彼氏~
消えていたと言うよりも、転校生の気迫によって吹き飛ばされたような感覚。


その言葉に、決意や強さを感じた。



「来いよ…来いよー!」



両足で踏ん張りながら、転校生は叫びに似た声をあげる。


立ってるのがやっとのくせに、大きな声を出した為に、痛めてる体を押さえてるし。


「お前、なんなんだよ!よっぽど死にてぇらしいなー!」



去ろうとしていた大木先輩が再び、よろめく転校生に向かって地面を蹴って飛び出した。



「うぉらー!」


転校生に向かって太い腕が近づいていく。


顔面に向かってどんどん近づいていく。


「やめてー!」



私は、一生懸命、強く願いを込めて叫んだ。


もちろん、瞳をめいっぱい閉じて。


でも、私の耳には鈍い音と声にならない声が聞こえてきて、私の願いは届かなかったんだとすぐに理解した。


胸の中が、ヒクヒクと泣いているように小刻みに揺れる。


なんで、男は無意味なケンカばかりするの?


なんで、傷つけ合うの?


キレイ事だと思われるかもしれないけど、私の中でその言葉がグルグル回った。
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