love letter~ヤンキーの彼氏~
頭にくる。私をおちょくるような風。


前髪をキチンと直したばかりだっていうのに。


私の両手は自然と握り拳になり、何かを堪えるように力が込められた。


何にイラついてんだ…私。冷静になれと思えば思うほど、自分が小さな人間だなと溜め息がこぼれた。


授業の遅刻が決定し、イタズラ風にイラついて、私一人だけ屋上に……


と思い、コンクリートの地面から少し視線を上げた先に、寝そべってる学ラン姿の人影が私の目に映った。


私が期待していた人物?


ここからじゃ、少し遠くて分かり辛く、誰かまでは確認できない。


屋上の扉から、寝そべってる学ラン姿の人物までは、およそ40メートルぐらい。


視力検査で0.3をたたき出している私には遠い距離。


眉間にシワを寄せて目を細める行動を繰り返してみても、やっぱり顔までは……。


誰?もしかして…?


私の頭の中は変な期待と、アイツの顔が勝手に浮かんできた。


それを確認すべく、私の足は一歩、一歩とフェンスに向かって、寝そべってる学ラン姿の人物に向かって動き出していく。
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