love letter~ヤンキーの彼氏~
ポカポカと陽気な昼前の穏やかな時間の中にいると、なんだか私も眠くなってきた。


目の前に気持ちよさそうに寝ている大樹を見ていると余計にそう思っちゃう。


私が座ってからも動かない大樹。早く起きろと思うだけで、起こそうとはしない私。


って、何を考えてんだ私……。


これじゃあ大樹に会う為に、話をする為にここに来たみたいじゃん…。


我に還ってみると、私の頬と耳が熱くなっていくのを感じた。


ダメ、ダメよ、私。


大樹を起こさないように、そうっと私は立ち上がって後ろ向きで歩き始めた。


大樹の動きを確認しながら、そうっと。


が、しかし、


「キャッッ!」


バック走行で歩き、大樹ばかりに気を集中させていたせいで、私はお尻からコンクリートの地面に落ちた。


「イタタ…もうー最悪…」


強くは打ちつけてはいなかったけど、私はお尻を何度かさすりながら、愚痴をタラタラとこぼして、コンクリートの地面を少し睨みつけてやった。
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