love letter~ヤンキーの彼氏~
「何やってんだ?」

ドキ。突然の低い声が私の耳に聞こえてきた。


「べ…別に!」


しまった。さっきの私の声で目覚めてしまった大樹が、寝ている態勢から座る態勢に。


そして、一つ大きな欠伸をし終えるとポケットを探り始めた。


起きる前に逃げるつもりだったのに。何もなかったように去るつもりだったのに…。


私の作戦はドジという名の二文字で見事失敗となった。


「俺に会いに来たんだろ?」


そう意味不明な大樹の言葉と一緒に白い煙りが空へと消えていく。


また、あれ…か。


「何、言ってのよ!」


危うく流すところだった。あまりに寂しそうに空を見ながら煙りを吐いてるもんだから…。


私の慌てた返事に、一瞬、一瞬だけ私を見て大樹は口元を緩めて笑った。


ドキ。


その笑みに、私の心は逃さずに見事に反応してしまい。


「今、今笑ったでしょー!」


私に変な動揺という言葉を植え付けた。
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