ケータイ電話の都市伝説
【解放】後、病院に入院する者達が絶えないらしい。
クラスメート達はそれを心配していた。

【解放】とはいろいろな仕方があるそうだが、最終的には理性を失い、暴れ出す。

そうなれば、病院へ行くしかない。

しかし入院しても理性は戻らず、まるで動物のようになってしまう。

あるいは最悪、廃人状態にもなりうる。

―う~ん。そこら辺は相手次第なんだよ。どれだけの【解放】を望むか、だね―

「ウソをつくな。ある程度抑えられるのも、お前の力加減次第だろう?」

―ボクはキミのように力加減が上手くないんだよ―

「ならしばらくはおとなしくしていることだな。力加減を覚えるまで、お前の好き勝手にはさせない」

マカの真剣さに、声の主は深くため息をついた。

―…分かったよ。しばらくは自重する。しばらくは、ね―
 
含み笑いをし、ケータイ電話の画面は元の待ち受け画面に戻った。

「ったく…。イタズラが過ぎるぞ」

グチりながら、マカはケータイをしまった。

そしてぐったりとしているミナの体を抱き上げた。

「…まったく。お前が関わらなければ、私も動くことはなかったのに」

苦笑しながら、ミナの額に口付ける。

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