モノクロ
…………。

どうしよう。


消灯時間も近いようなこと言ってたし、部屋に戻ろうか。


でも、待ってろって言われたしなぁ。



自販機のすぐ横にベンチを見付けて、とりあえず少しだけ待つことにした。


座ると、左側にある自販機が壁のようになって、向こう側は見えない。


前にある大きな窓には鏡のように私の姿が映っていた。


静かな空間に自販機のモーター音が響く。



ふいに、ペタペタと足音が聞こえて来た。


戻って来たのかな?


そう思って寄り掛かってた壁から体を離すと、

「……真央?」

こちらに歩いてきたのは先生じゃなくて、琢磨だった。



「そんなトコで何してんだよ?」

「あ……ジュース、買いに。琢磨は? ……っていうか、遥は?」


「都築?」

「遥、そっちの部屋に行かなかった?」

「会ってねーけど?」


遥、琢磨とすれ違っちゃったんだ……。



そんなことを思ってたら、自販機を通り越して、琢磨が私の目の前に立った。



「お前だって一応は女なんだし? こんな時間に一人でいたら危ねぇぞ」

「一応って何よ。……っていうか、今日は貸し切りなんだから大丈夫でしょ」
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