サルビア
話すって、何話すねん…

不機嫌そうな顔をしているあたしに、エリが言った。


「朝日ちゃん、お寿司の中で、何が1番好き~?」

「はっ?」

エリはニッコリ笑って、メニューを差し出した。

「玉子…」

その笑顔があまりにかわいくて、不覚にも素で答えてしまった。

「あたしと一緒や~!」

そう言ってまたゲラゲラ笑う。

「プッ…」


何かあまりに無邪気なエリに、あたしはイライラしてるのが、あほらしくなってきた。

「笑ってくれた~!」

エリは嬉しそうに言った。


そこからはエリのハイテンションと、涼のボケ、あたしのツッコミ炸裂で、あたし達はずっと笑いながら、お寿司を食べた。

涼の言うように、エリは意外に『ええ奴』やった。

気取ってないし、話からも、仕事や周りの人の事を、しっかり考えてる子やった。




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