びいだま

手術室の前のベンチで座ってるマアコのご両親。


私達は少し離れて待合室で待たせてもらうことにした。



ドアを開けると、他にも手術の人がいるらしく、終わるのを待ってる人が何人か先にソファに座ってる。



響くのはドアが閉まる音だけ。



遠くから救急車の音が何台か連なるように大きくなってきて近くでとまるのは・・・・やっぱり病院だから仕方ないとはいえ、なんだか落ち着かない。



少し開いた窓からサイレンの音と、ワーワー、という人のざわめきのような声が聞こえて、いたたまれなくなったのか、誰かがその窓をピシャンと閉めた。



それと同時に他の誰かが、すでについていたテレビの音量を上げた。



「はぁ~・・・事故だな。こりゃ・・・」



テレビをつけたおじさんが、画面を見てため息をつく。



その声につられてゆっくりと顔を上げるとそこにはバスが横転している画面が大きく映し出されていた。



と、同じくして聞こえてくるアナウンス。


よほど興奮しているのか時々言葉をもつれさせながら状況を必死に説明している。



それでも、これはいつもある光景で。


こんな事故はたまに起こる、日常茶飯事なわけで。


いつものように、他人事と勝手に思い込んで私は顔を伏せた。


その時・・・・・






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