びいだま

テレビから聞こえてくるその音声に思わず体をこわばらせた。


聞こえてくるはずのない名前。



『えー、繰り返しお伝えします。この高速バスに乗った搭乗者の皆さんのお名前です。・・・・さん、・・・・さん、・・・・・カキウチユウジさん・・・・、・・・・さん・・・・、以上の方は死亡が確認され・・・・』



・・・・・っ?



コマキも今の名前が聞こえたのか、私をはっ、と見てからテレビの画面に目をやった。



・・・・なに、今の・・・何?



「・・・・果歩?・・・・もしかして今のって垣っち・・・・・」


「違うっ!」



思わず叫んだ大声に、周りの人たちがいっせいに私を見つめるけど、そんなの・・・知らない。



違う、違う・・・違う。



だって、ユウが帰ってくるのはあさってのはずだもん。



昨日の夜もメールで「3日後だね」って。



違う。


違うよね、ユウ。



違う、よね・・・・・?



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