びいだま

「おーい、あんなっ!こっち頼む~!!」


その時、向こうから大声で呼ばれると、あんなさんは私の肩をぽんとたたいて



「ごめん。すぐに戻るから」



と言って少し「みぃ」をちらっ、と見てから向こうに走っていった。




「あ~あ・・・・。もう少しお話したかったのにな~・・・・」



私の隣で、みぃが残念そうにつぶやいて、私を横目で見た。



思わずドキッ、とするのは、きっとこの子の魅力なんだと、思う。



少し小悪魔的な魅力?



同姓の私も、引き寄せられるような魅力が、あるよね・・・・。



「あんた、誰?」


「へ?」



さっきと少々声のトーンが低くなってるのは、気のせい、かな?



「あんなさんと、知り合い?てか、スタッフ?」


「いや、えっと・・・・」



ど、どう返していいかわからず口をもごもごさせていると、みぃは大きく伸びをしてため息をついた。


「あ~あ。あんなと仲良くなれるかな、って思ったのに」



あんな?


さっきまで、ちゃんと「さん」って言ってたよね?


聞き間違い?




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