びいだま

ユウを彼氏、と言ってることだけがショックなんじゃない。



ユウが売れるためにそういうことをしてる、って信じたくなくて、


もし、それが本当だとしたらそれがショックで。



でも、どう言っていいのかわからずにぎゅっ、と唇をかむと、みぃは怪訝そうな表情をした。



「とりあえず・・・あんなさんにはよろしく言っておいてよ」



そう言って、みぃは居心地が悪そうに辺りを見回すと、「ユウジっ」と叫んで手を振った。



ユウが・・・・いる。



けど・・・・・・



私は目を伏せたまま急ぎ足でその場所を離れた。



会いたくない。


見たくない・・・・。



もしみぃの言ってることが本当だとするなら・・・・。


なんで・・・


なんで、この前私にキスなんかしたの?



ぐいっ、と唇をつよく腕で拭うと、ぽろぽろと涙がこぼれた。



悔しい。


かなしい・・・・。


もう、ユウがわからない。



全然わからないよ・・・・。



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