涙が出ない【短編】







私はその日の夕方、
窓のそばの畳に座って
ぼーっとしてた。





何も感じない。ただぼんやりと夕日に照らされた庭を見た。





しばらくしたら私の後ろに誰かが座った。





「由奈」





私は名前を呼ばれて振り返った。おじいちゃんだ。





おじいちゃんもハナと二人で黙って座ったりしてた。何も話さないけどハナのことが本当に好きだったんだと思う。





私は今まで長いことしなかった質問をした。





しちゃだめだって思わなかった。





なんとなく口から勝手に言葉が出たんだ。
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