涙が出ない【短編】
妹が生きてたころから
ずっといる、猫のハナにも
よく質問した。
ほかに聞いてくれる人がいなかったから。
私はハナを寝そべりながらじーっと見つめるのがなんかほっとするから好きだ。
だから私は小学のころから変わらず寝そべってハナに今日一日のことを話す。
「今日はねー、数学のテストで頑張って92点とったんだよ」
私はにこにこ笑ってハナに話す。でもハナはいつもぶっきらぼうにふてくされたように目を閉じたまま。
でもそんなハナに話しかけてるとなんだか心がやわらぐ。
重たいおもりが取り除かれていく気がした。