天然100%
「じゃあなんで美鈴と付き合ったんだよ」
今度は啓介の声だ・・・。
「なんでって・・・啓介が・・・」
「まぁ確かに俺が傷つけた」
「涙流してる美鈴見たら口が勝手に・・・」
「それ同情じゃないのか」
啓介の冷たい声が
あたしにもハッキリ聞こえた。
隣りの美鈴を見ると震えてた。
「同情」
残酷な言葉だと思った。
「同情なんかじゃない!」
「ふーん・・・?」
「美鈴が愛おしく思えるんだ!」
「あっそ」
「啓介のおかげで気づかされた」
「そ」
遊斗の言葉はすごくマジメなのに
啓介の返事はどこか適当だった。
「啓介っ」
「なんだよ」
「俺がどうして美鈴と付き合っちゃいけないんだ!」
「別にそんなこと言ってねーだろ」
「めちゃくちゃ不機嫌じゃん!」
「別に美鈴のことなんかもう好きじゃねーよ」
「だったらなんで?」
遊斗と啓介の言い合いを
あたしと美鈴は緊張して聞いた。