3人の き も ち
その日の放課後、《手紙》の指定してきた場所に行く。
図書室に入って右手、カウンターには係りの生徒が2、3人 座って当番をしている。
入口から数歩先にある3、4段程の小さな階段を降りる。
丸テーブルが6席、各々背もたれの小さな椅子が6脚配置され、あちこちに人の塊がある。
その奥、教室3室分の広さに、高い棚が綺麗に並び、沢山の本が分類され収納されている。
棚と壁の間には、2人用の椅子とテーブルが所々置いてある。
映樹はまっすぐに奥へ進む。
壁ぎわ、二つの椅子の一つに座る女子。
チラと見て、すぐ側の最後の棚に近づく。
並ぶのは分厚い事典や専門書の類い。一度も開かれたことの無い様な本ばかり。
実に人目につきにくい場所。
壁に寄りかかり、腕を組む。
相手は違うが、ココに呼び出されるのは、何度目か。