おばかに恋する性悪王子



「うわ〜!VIPの子じゃね!?」


「ちっちゃっ!!お人形みたい」



∑!?
いきなりなんなんだよ!?
びっくりしたじゃんかコノヤロー!!
だいたい、VIPってなんだし!!


一斉に騒ぎ出した教室に戸惑い、ドアの前で立ち塞がっていたとき、不意に後ろから声をかけられた。



「どけ。邪魔なんだけど。」



何事!?
振り向こうと後ろを向く……途中で、
というか、振り向く間もなく足で背中を蹴られた。



痛っ!!
なにすんだよー!!
傷ついちゃうじゃんかー!!
お嫁にいけなくなったら、どうしてくれんだよー!!


と、イラッときたから文句を言おうと振り向くと、
そこには結構かっこいい男の子がいた。


睫毛長くって、色白で、背がすごく高くて細くって…



「うわっ、かっこいっ…性格悪そーだけど。」



…………あ。
……あたし、口にだしちゃった感じ!?
やばいやばい!!聞こえてた…かな?


恐る恐る上を見ると、



「あんた、人の話しきいてんの?はやくどけよ。」



ん……んん?



「おいっ!」


「あっ、はい。どうもすみませんっしたっ!」



どうやら、聞かれてないっぽい。一安心だ!


でも、この口悪いくて性格も悪そうな人と1年間同じクラスなんて…


ものすごく憂鬱だなぁ。





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