初恋ドロップ
「―紗―祐」
慌てる様子もなく優しく屋上に響く駿の声。
「・・・・」
立ち止まり聞こえないフリ
本当に子供だな私・・・
でも、すぐ振り向くなんて悔しいでしょ??
「―さ―ゆちゃん」
甘く囁くような駿の声
絶対振り向かないんだから。
我慢・・・我慢・・・我慢
呪文のように心の中で唱えた。
コツン
「っ紗祐!」
いつの間にか駿は私の後ろまで来ていて
軽く頭を叩かれた。
ゆっくり駿の方へ振り返る
「紗祐・・おいで」
そう囁くと私に向けて両手を広げる駿。
////駿はずるいっ
駿はきっと分かってる
私がこうしたら
絶対逆らえないことを
「こんなのずるいよ・・・」
そう言いながらも
すでに駿の腕の中。
「からかってゴメン」
耳元で甘く囁かれる声に絶対の安心を感じる。