伽羅子
そんなある日。

俺は校舎の廊下を歩いていた。

…学校では、俺は明るく理解のある若手教師で通っている。

異性だけでなく、同性の生徒にも人気のある教師。

それが俺の学校での表の顔。

本来の俺の本性をばらそうにも、被害者の女生徒達は弱味を握られている。

ばらせる筈もなかった。

…昼間の学校での俺は、聖職者を装うと同時に『次の獲物』を物色している。

優しい先生の顔で、眼鏡にかなう女生徒に狙いを定めているのだ。

生徒達の様子を観察するふりをしながら、眼の奥底にある淀んだ視線で、女生徒達の顔、体を舐めるように品定めする…。

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