伽羅子
少し冷静さを取り戻したい。

校舎二階に位置する生徒指導室から出て、廊下を歩く。

階段を下り、一階と二階の間の踊り場へ。

…ズボンのポケットから煙草を取り出し、一本銜えて火をつけた。

校舎内は禁煙だが、そんな事は言っていられない。

とにかく煙草を吸わないと落ち着けそうになかった。

しらしらと紫煙を漂わせながら、俺は必死に冷静さを取り戻す。

絞殺すれば死体の処理だけで済んだものを、刃物を使ったばっかりに、飛び散った血痕の処理までする羽目になってしまった。

あの血痕は、かなり手間がかかりそうだった。

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