伽羅子
手の中に残る、伽羅子のか細い肩の感触の余韻に密かに浸りながら、俺は彼女に背を向けた。

焦るな。

最初が肝心だ。

過去にお目にかかった事のない上玉のせいで、少々気が逸っているのかもしれない。

高まる鼓動を抑えながら、俺は廊下を歩く。




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