甘い蜜



喚く真理子さんにまた溜め息。
せっかく後で話そうとしていたことを第三者にあっさり先を越されてしまうなんて。


チラッと麻理亜の様子を伺う。
麻理亜は不安そうに俺の服を握っていた。
心なしか、顔色が悪いような気がする。


ヤバいな。


「それに、婚約は白紙に戻ったはずです」

「あ、あんなの認めません……!!」


首を激しく左右に振り、真理子さんは拒否をしめす。


くそっこれだからお嬢様は……


「何が目的ですか?貴女とは直接お会いしたのは一回きりでしたね……あぁ、資産目的で?確かに麻生グループより我が家の資産はありますからね」

「………何をいってらっしゃるの」

「貴女の目的が何なのか知りたいんですよ。私に何故執着する?」


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