甘い蜜



どうしたものか………と距離を置きながら考えていると、静かな、しかし力強い声が耳に入る。


「――――貴女は、本当に敬夜さんが好きなの?」

「んな!?なにを………っ!!」

「最初は、一目惚れだったからだと思っていたけど………違うみたい」


麻理亜のその声は、落胆、の色?


「ど、どういう意味よ……!!」

「純粋なお嬢様じゃなかったって事」


言葉使いも変わってるよ?と指摘された真理子さんの顔色が変わっていく。


「………なにが言いたいの」

「最初は、貴女が来て、貴女をみて、私が敬夜さんを取っちゃったって罪悪感があった………」


あの涙にはそれも含まれていたのか。
麻理亜らしいな。



< 162 / 458 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop