甘い蜜
誕生日は、おめでとうの日だけど、ありがとうの日。
敬夜が生まれた………大切な日。
「だから、ありがとう」
「っ麻理亜、」
思わず手を伸ばすと、麻理亜は大人しく俺の背中に手を回してくれた。
「ありがとう、麻理亜」
「うん」
「けど、サプライズはもう懲り懲りだ」
もうあんな体験はしたくないしな。
普通で十分だ。
麻理亜はクスクス笑うと分かったと頷いた。
「料理も作ったし、ケーキも作ったの」
「あぁ」
「食べよう?」
お腹空いてきちゃったと麻理亜は笑う。いつもなら、麻理亜に頷いて食事に移っていただろう。