甘い蜜
カチ、カチ、カチ………秒針の音がいつもよりよく響いている。
「10、9、8………麻理亜」
「うん?」
手を持たれて、私の意識は敬夜さんに向く。
スルリと手の甲を撫でられた。
それから指へ。
そして手全体を包む。
カチ、カチ、カチ………カチっと時計の針が12時を差した。
「………誕生日おめでとう」
「ふぇ?」
思わず変な声をだしてしまった。
「誕生日だろ?」
「あ……本当」
敬夜さんの持つ時計には確かに私の誕生日の日にちが。
もう、そんな日になったんだ。
ん?じゃあ……
「もしかして、このドレスとか……」