甘い蜜
それでも、嬉しい。
「ありがとう。敬夜さん」
酔いなんかすっかり覚めていた。
私は、自分で表現出来る最大限の笑みを浮かべることが出来たと思う。
「否、こっちこそ、ありがとうな」
「?何が?私何もしてないよ」
「ん?………産まれてきてくれて、ありがとう、だ」
産まれてきてくれて、そして俺の側に居てくれて。本当にありがとう。
「………っぅ」
じんっときて、熱いものがこみ上げてくる。そんなこと言われたら、涙が出てきそうだ。
敬夜さんに逢うまで絶望のどん底にいたから、自分の価値とか分からなかった。